”1 学校エコ改修
平成17・18年度で計8回の「学校エコ改修研究会」を開催した。地域技術者を中心に学校や地域の方々を対象に、(社)公共建築協会参事の藤澤幸吉氏を座長に迎え、専門家の講師による最新の環境建築・環境技術の講義や実習、事例見学などを行った。終盤の計画実習では、七峡小エコ改修のポイントや改修のアイデアを検討・提案し、その成果を反映する形で設計プロポーザルを実施、設計者の決定後は設計者・区・学校による協議会を重ね設計をまとめた。
改修メニューとしては外壁の外断熱、窓のサッシ交換と複層ガラス、屋上の断熱と緑化、ルーバーの設置といった校舎棟外部改修と、環境教室やエコラウンジ、階段室と廊下の間の扉、高効率型照明といった校舎棟の内部改修を行った。また、校庭を透水性・保水性の高い舗装とし、雨水利用と太陽光による循環を行うビオトープを整備、体育館の床や壁に断熱を施しOMソーラーを配した。平成19年7月工事着工、9月には現場見学会も開催し、平成20年3月にはすべての工事が完了した。
2 環境教育
東京学芸大学教授・日本環境教育学会会長の小澤紀美子氏を座長に迎え、校内研究会との相互乗り入れの形で、平成17年度4回、18年度12回、19年度17回の「環境教育研究会」を開催した。本校は、昭和47年以来東京都の人権推進校としての研究実績があったことから、本研究をその延長上におき、(ア)人権教育を基盤とした環境教育を推進 (イ)6年間の環境学習に系統性・連続性をもたせる
(ウ)フィードバックを伴う螺旋状の指導過程を環境教育の基本方針に据えた。そして、「人権尊重の教育を基盤とし、心身ともに健康で知性と感性に富み、国際社会に主体的に生きる、人間性豊かな児童を育成する」という学校教育目標をふまえ、「思い合う心をもち、行動する子」を目指すべき児童像とし、「よりよい環境づくりに主体的にかかわる児童の育成」を研究主題に、以下3つの視点から研究を進めた。
1)指導過程の確立
6年間を通じ、次の3つのステップを繰り返し行っていく螺旋状の指導過程を確立した。「知る・感じる」は、疑問や好奇心から、豊かな感性を育てる意識化の段階。「みつめる・かかわる」は、見たり、聞いたり思ったりしたことから、自己の生活スタイルを見直し、調べ、考える、思考力・判断力の段階。「動く」は、感じ、考え、調べる中で、自分のありようを探り、出来ることを見つけ行動に移す実践・参加の段階。これらを低学年・中学年・高学年の各発達段階に応じた内容で展開する、系統性・連続性ある年間指導計画を作成することができた。
2)具体的な手だての開発・充実
環境教育における「手だて」を、環境に関わる実践家や専門家と直接出会い、熱い思いやその活動に対する感動や共感が児童の心を動かし自身の生き方を考えさせる「生き方に学ぶ」、校内の教材園やビオトープからはじめ、地域の公園や川など身近な自然に存分にひたる学習活動から自然への関心や愛情を引き出す「体感する」、KJ法、ウェビング、ポートフォリオなどを用い、一人一人の学びの集約と学級や学年全体での学びの共有を図る「むすびつける」の大きく3つに体系化し、学校全体で共有化しながらその開発・充実を図ることが出来た。
3)学校エコ改修の活用
学校やエコ改修のプロセスや整備後の施設を、環境教育の題材として活用した。
4年生の理科での「みどりのカーテン」づくり、専門家との連携により計画・施工段階から子どもたちが関わった「七峡ビオトープ」は、粘土たたきなどの施工体験やルール作りを行い、生き物とのふれあいやトンボ・川の学習など、生きた教材として環境教育の様々な場面で活用している。また、改修元年の最上級生となる5年生は、学校エコ改修を題材に「環境にやさしい学校と私たち」の学習に取り組んだ。熱の基本原理、自分自身を暖める方法を探り、体感や実験による裏付けを経て、専門家から具体的な改修技術を学んだ。難しい技術を子どもたちなりに理解させ、改修後の学校への深い理解と愛着を育み、その素晴らしさを自らの言葉で発信することができた。
3 地域への波及
平成18・19年度末には、PTA、教育関係者、地域住民や学校エコ改修研究会の参加者などを招き、公開授業と研究発表会を開催するとともに、研究成果をとりまとめたリーフレットを作成した。平成19年度の発表会では、研究会の座長や講師にPTAや教師も加わってのシンポジウム「町屋発!環境への架け橋」を開催、校舎の内覧会をあわせて実施した。また、全校集会や保護者会、区の環境学習・活動発表会などの機会を利用して、子どもたちから学校エコ改修を発信した。”
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